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黒歴史現在完了進行中(仮)

やることなすこと黒歴史

ごま油入りニラカレーの話

Diary/文体A

料理をすることは嫌いではない。
大学生の頃は一人暮らしということもあって、
結構な頻度で料理を作っていた。
大抵どんな料理でもほどほどに、そこそこに
食べられる味には仕上げることができた。
今のご時世、作りたいものを調べれば簡単にレシピが出てくるから。
あとはそれ通りに作れば、簡単お手軽に美味しい料理が食べられるのだ。

しかし、本当に食べられない料理を作ってしまったことが一度だけある。
今ではちょっとした笑い話として語れるけれど、
自戒の念も込めて、文章として残しておこうと思う。

その当時、ちょうどカレーにはまっていた時期だった。
朝にカレーを食べると、頭の回転がよくなる、なんて記事を見つけて、
大はしゃぎでカレーばかりを食べ続けていた。
しかしさすがに一週間の半分以上食べて続けていれば、さすがに飽きてくる。
いつものこなれた味ではなく、若干のオリジナリティがほしい。

そんなことを考えながらカレーを作っている最中、
冷蔵庫の中にニラを見つけてしまったのだ。
買ったのはちょっと前で、カレーを消化する頃には、
おそらくダメになってしまうだろう。
そう考えた僕は、具をひとしきり煮込んだ後に
刻んだニラを放り込んだ。

そして待つこと5分ほど。
ニラにそろそろ火が通った頃合いである。
味見と称して、その特製ニラカレーを口に入れると、
ニラの芳醇な香りが口に広がる。
いや、ニラの香りのみが口に広がるのである。
それまでに適当に放り込んだり、
ルーに含まれていたスパイスの香りは
全て台無しである。
むしろそれらは喧嘩し合って、非常に微妙な味わいとなっていた。
ここまでならまだギリギリ食べられた。美味しくはないけど。

しかしここから悲劇であった。
そこでがっかりした僕は破れかぶれになったのか、
そのカレーにどぼどぼとごま油を放り込んだのである。
これでもうカレーっぽかった何かは
単にカレーの色をした謎の液体へと変わり果ててしまった。

あーあ。

食べられるような味ではなくなっていたのは言うまでもない。

当然というか残念ながらというか、
その料理っぽい何かはほとんど口には届かず、
ゴミ袋の中へと消えていった。
あとにもさきにも料理をほぼ食べずに捨てるというのはこれっきりである。
その食材を提供してくれた皆様には非常に申し訳ないと今でも思う。

食べ物で遊んではいけないということは、
子供の頃より大人たちに教えられてきたことである。
そのことはしっかりと心に刻まれていて、
食べ物を振り回したり投げるということはしなかった。

しかし、実はそういうことだけではなかったのだ。
食べ合わせ次第ではひどい味になってしまうということも
暗に伝えていたのである。
最悪の場合、死に至る、という普段なら失笑物の文言も
今なら素直にうなづけるところである。
何せ、アレは本当にひどい味だったのだから。

だから僕は声を大にして言いたい。
絶対に食べ物で遊んではいけない、と。